曇りのち晴れ 4.5/17℃
シンプルな自給生活とか自然栽培とか言っても、たまに体に悪そうなものがどうしても食べたくなる。マクビティのチョコレートビスケットとか。大量生産品としては、かなり美味しいと思う。20世紀のものはもっと美味しかった気がするが。昔、イギリスとアイルランドを1週間ほど旅行した時、東欧めぐりの後だったこともあって、物価の高さにびっくりして、チョコレートビスケットばっかり食べていた。筒状に包装された重さも値段も1ポンドばかりのそれはマクビティではなかったが、本当にうまかった。おかげで虫歯が一気に悪化した。ついでに言うと、料理が不味いと評判のイギリスのベーコンとかプディング、それに(安い)おやつは概ね美味しかった。
で、日本の、今は明治製菓がライセンス生産しているマクビティだが、チョコレートの質が落ちたのは明らかなように思うが、それ以上に年々、一箱当たりの入数が減っていくのがさみしい。潔く値段を上げればいいのに。騙されている感じで感じ悪い。騙されないぞ、と思っても食べずにいられないのが情けない。おのれ明治製菓、板チョコも薄くしやがって。薄い部分があるとおいしく感じる、とか盗人猛々しい広告してるな。
で、新しい発見があった。見つけたのは俺以上におやつに意地汚い生き物係さんだ。このあいだ、3時のおやつにマクビティを食べていたら、手にしたビスケットをじーっと睨んで、突然叫んだ。
「あっ、真ん中がへこんでる!インチキだ!」
まさか、そこまではやるまい、と思いつつもよく見ると、
確かにへこんでいる。しかも真ん中だけではなく、外縁上の3点を残して、総面積の八分の五はへこんでいる。ひどい!もう買わない!自分で作る! と、もうすぐ二人合わせて百歳の我々は怒ったね。
行きがかり上明治を槍玉に挙げてしまったが、製菓会社はどこも同様の工夫をしている。おやつはどんどん小さくなる。板チョコ、昔は100gくらいなかったっけ?今じゃ各社横並びでほぼ50g。チョコレートといえば、『異邦人』の主人公は夕食後に窓辺で「チョコレートを一枚」食べるんだよな。どれくらいの大きさだったんだろう?
フランス人とカカオ。日本人とバナナ。まあそんなことで、買ってきたおやつというものはうかつにヘラヘラ食べてしまって遠い世界の事情はすぐに紛れてしまうのだけれど、故に、己専心に生きることが即世界に生きることに繋がるようなそんな生き方はここにあるだろうかと、自問してみる。