山のなめこ

原木なめこが出てきた。遮光シートが薄くて、まだ日当たりが良過ぎる。このところ雨が降らないので、なめこ(ナメコ、とカタカナにすると、ナメクジを連想する)らしいヌメリも控えめ、そのぶん扱いやすい。

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都会のスーパーで売られている「ナメコ」は、茶色で、小指の先くらいの大きさ(上の画像でいうと奥にチョボチョボ出てるやつ)だから、昨年まではそのくらいのを採って食べていた。が、今年、長楽のキノコ名人のキノコ採りを手伝った際、なめこは傘が開いて黄色っぽくなった頃が採りどきらしいことがわかった。親子の間でも多くを語り合わぬというキノコ採りの世界であるから、しかと聞いたわけではなく、名人が採れたなめこを選り分けながら浮かべる笑みのニヤニヤ具合からそう推測した。近隣の直売所でも、やはり傘の開いたなめこが目に付く。ヒラタケも同様、都会なら見切り品に回されそうな傘の開ききったものが美味しいとされている。思うに、都会に限らずスーパーに出回る工場生産品は、こじんまりとパックしやすいこと、つまり流通効率の高さの方が、おいしさよりも優先されているのだろう。

今日は大鍋に2杯分ほど採れた。そういうとき、昨年は調理や保存に大変な手間が掛かっていた。今年は直売所に出せる。そして、期間限定だが、キノコは野菜よりも売れ行きがよい。

玉葱苗、にんにくの植え付け、麦播き、豆の収穫と、仕事は山ほどあるが、キノコに夢中になっているとつい、他の作業がおろそかになってしまう。米の脱穀もまだ終わっていない。

トマト

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山の紅葉も始まり、トマトの収穫もあとわずか。過熟、未熟を含めてトマトソース用に集めた。藪に埋もれたのを探せばもう少し採れそうだ。

画像左、柿のようにも見えるアロイトマト。実の成長が止まってから熟すのに1ヶ月くらい掛かった。今春、種は軒並み品切れのところ、「たきちゃん自然農園」で自家採種されていたのを貰った。味はキリリと締まった桃太郎、切ってみると桃太郎の系譜であることがよく判る。ざるの中、手前細長いのがサンマルツァーノ、小さいほうがマティーナ、やや大きいのがメニーナ。サンマルツァーノ、マティーナは一昨年からの自家採種、じゃなくてこぼれ種の自生え。マティーナ、甘味も酸味も乏しくて採らずに放置していたのだが、最近食べてみたら少し美味しくなっていた。メニーナも、好みからいえば酸味が少ないが、マヨネーズがよく合う。NO場にはもう1種、野生化したミニトマトがあり、こいつが果物のように甘い。たわわに実を着けていたところに台風の大雨で、あらかた割れてしまったのが残念。

今日は日当たりの良過ぎるナメコ原木に減光ドームを付けた。写真はまたいずれ。

2014年の稲刈り

稲刈りが終わった。今年は隣村にも田んぼを借りていたので、田植えから稲刈りまで、去年までよりもだいぶ時間が掛かった。いろいろな条件で稲を育てることで経験の蓄積に利するところがあったかも知れないが、それ以上に疲労が蓄積した。

今年の田んぼは初めての冬期湛水と不耕起、もちろん無農薬、無肥料栽培。品種は「ササニシキ」。子どもの頃に食べていた懐かしい(と言っても味は思い出せない)お米だ。収穫量は、去年の倍!と思っていたが、記録を見ると、そんなに変わらないか。

2013年、「はえぬき」と品種不詳の糯

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今年は、糯の「ミヤギコガネ」、

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と、「ササニシキ」

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どっちの田んぼも、今年は草がびっしり生えてるなあ。総括はまた後日。やりかけてたんだけど徹夜になりそうだから今日はやめる。ひとつだけ、今年はちゃんと種籾を取っておこう。

たまには二人で記念撮影。

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ミツバチの話

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ミツバチがいなくなったよ、と言われて、そんな馬鹿なと巣箱を見に行くと、巣門の下辺りで20~30匹くらいのミツバチが死んでいた。草に覆われているところを良く探せば、死者の数はもっと増えるだろう。いなくなったというのは大袈裟だったが、確かに悲しみのやり場のない出来事だ。

ところで、ここ麻績村には、高冷地の南斜面(ゴルジNO場は東斜面で日の入りが早い)という地勢を利用してリンゴ園があちこちにある。リンゴ畑のそばに住んでいる人なら誰でも知っている通り、リンゴの殺虫消毒にはSS(スピードスプレイヤー)という、一見かわいらしい農業機械が活躍する。おもちゃの消防車みたいなこいつが、どっこい、ゴウゴウとすさまじい音を立てながら(たいてい日曜日の朝6時頃)高さも幅も数メートルに及ぶ農薬の霧を吹き上げながら、リンゴ園の中を進んでゆく。21世紀の現代の話だから農薬と言っても毒性は厳しく規制されて、、、おや、作業している人たちの服装が変だ。どこかで見覚えのある、、、そうだ、福島第一原発が地震でメルトダウンした直後、マスコミにしばしば登場していたあの防護服にそっくりだ。

というような事情は、リンゴ畑のそばに住んでいない人たちは、考えたこともないだろう(俺も街場に住んでいたときは、想像できなかった)。今では他人がリンゴを皮ごとかじるのを見ると、ああ、あのリンゴが今、この人の食道を通って内臓に取り込まれていくのだなあ、と、ある種の驚異の念に打たれる。

ミツバチの死因は判らないままだろう。分かっているのは、SSの直後にたくさんのミツバチが死んだという、それだけのことだ。

その手に触れるものを疑え。その手で触れているという事を、感じることから始めよう。

台風と花豆

10月6日 雨のち晴れのち曇り

夕べの大雨の余韻で朝は雨。寒い。午前中は寝て過ごす。疲れているせいか、いくらでも眠れる。
昼前に晴れ間がのぞくようになった。時折すさまじい突風が吹きぬける。ナメコの原木のシートを剥がしっ放しだったのを思い出し、陽が当たる前に被せに向かう。

豚舎への坂道を登りながら畑を見渡すと、何か違和感がある。もしや、花豆が倒れているか。そうではありませんようにと祈りながらシート掛けしていると、生き物係さんが叫ぶ声が聞こえてくる。やっぱり花豆か。支柱ごと倒れて、茎が根元近くから引きちぎられてしまった。何割かでも、このまま成熟、乾燥してくれないものか。

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二週間前の元気な姿。ちょっとバランス悪いなあと気にはなっていたけど、補強しなかった。豆でもキュウリでも支柱を立てるものは、最初から補強が要らないように立てなきゃいけない。

花豆が予想以上に育ちすぎたせいもある。近隣の花豆はもっとがっしりと、莢の数も抑え気味に作っている。大きく、実の数が着けばいいってもんじゃない。

自給自足を標榜するゴルジNO場の中で、この花豆だけは換金目的で育てていた。何箇所かあるうち、一番元気に育っていたのに。しばらくため息が止まらなかった。

ため息ついてる場合じゃない。やる事は山ほどあるんだ。その割には昼寝してたわけだが。玄関先、勝手に芽を出して立派に育ったカブのように、頑張ろう。頑張れるかな。

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生産者見習い中

10月4日 曇り 朝晩寒い

朝からまんだらの庄向けの出荷準備。ダンボール1箱分の収穫、選別に2時間近くかかる。うまい段取りをつかまないと農作業が嫌いになってしまう。お盆過ぎにでき始めた夏野菜もそろそろお終い。まだ青くて大きいトマトがいっぱい生っているのだが、熟すかどうか、厳しいところだ。

途中でたきちゃんをピックアップ、原木ヒラタケを見に行くと、手のひら大に育ってしまったキノコがわんさか生えていた。月曜日はまだマッチの頭くらいの大きさ、雨も降らなかったので高をくくっていたのだが大失敗だ。
とりあえずまんだらの庄に持っていくと、たきちゃんの知り合いの生産者が、直売所はこれで大丈夫、と言ってくれる。張り切って40パック(!)程詰めて持っていくと、まんだらのお姉さんもびっくりしたようで、しかし、もっと早い時間に持ってこなくちゃだめよと指導を受ける。今日出せない分は明日早朝に再出荷予定。やはり段取り改善が喫緊の課題。

栗もまだあり、柿がそろそろ旬を迎える。ずらし播きした漬け菜のずらし間引きも毎日、今度の日曜日はいよいよ稲刈り。

収穫の秋真っ只中、無事に乗り切れますように。