夜明けと日没について

2017年1月5日(木)晴れ -5.1/10.4℃

寒く、空っ風の強い一日。埼玉や東京の正月を思い出す。

朝は玄関先のぬかるみが凍って硬い。かろうじて手袋無しでいられるが、金物なんかを持つと危ない。

冬至からこっち、夜が短くなりつつあるはずなのに、東の山から陽が昇る時刻がむしろ遅くなっているように感じる。と思ってウェブで調べたら、日の出は明日、1月6日が最も遅くて、ほぼ7時になるらしい(日の出日の入り時間 – motohasi.net を参照しました。感謝)。日没が早いのは12月6日で、日の出日の入りは冬至に最も遅く、最も早いという訳ではなかった!自然にどっぷりつかって生きてるぜ、と思ってたけど基本的なことに無知だった。

PCのある部屋が寒くて死んでしまう(わりと本当)ので、夜の日誌編集は30分以内と決めているけど、つい関係ないものをつらつら眺め出すので全くはかどらない。今日はここまで。

0月0日がないから算数がややこしい

2017年1月1日(日) -3.9/12.4℃

暖かい一日。日差しがありがたい。年が明けたという改まった感じはない。しめ飾りも作らず、初詣にも行かない。お雑煮もおせちも無い。ただ淡々といつもの仕事を繰り返す。たとえば山羊散歩。

yagisampo

誰か新しく覇権を握る者が出ると、暦を作り、度量衡を定め直すのが古の習いであった。破壊神の杖にもかつて暦もろとも世界を滅ぼした時の日付が刻まれているだろう。正月元旦もいつの時代にか権力者が決めた暦の名残にすぎない。現代の暦を太陽暦というなら冬至の翌日を元旦にすればすっきりすると思うのだが。グレゴリオ歴と言うんだっけ?とにかく、冬至を送ってこれからは日の巡りが回復してくる、そう思った瞬間に俺の年は更新されてしまったので、10日もずれて今さらめでたいと言われても困る。とは言っても、元旦、1月1日を意識しないのも難しい。今もうっかり、今年からは日誌を毎日付けるぞ、などと思い立ってしまったのだから。

元旦とか仏滅とか、ハレとかケとか。そんなものより晴れとか雨の方が余程影響する。世間はハレとケの共有を強いる。今日ははしゃぐ日だよ、今日はひっそり暮らす日だよ。村に在っては、その強制力が見える分、まだましなのだ逆説的に。都会ではハレとケがコントロールされていることに気付かない。気付く人もごくたまにだがいて、これはおかしい、コントロールの仕方を変えよう、と主張する。

nadja

ナージャには暦が無い。喜ぶ時も悲しむときも胸の痛みに突き動かされて。

今日

最低気温氷点下6℃が3日続いたおかげで今朝の氷点下3℃が暖かく感じられた。『イワン・デニーソヴィチの一日』に40度とか28度とか書かれているが、氷点下の話だ。やはり今日は暖かい。

ヤギ小屋の掃除の際、敷草の確保がだんだん難しくなってきたので、ここ一週間、床面にたまった敷料を糞尿で発酵させながら表面だけ足していく鶏小屋方式を試してみた。落ち葉をごっそり敷いて、上に藁や枯草をふんわりと積む。落ち葉は半分くらい松やカラマツ。集めやすい所から持ってくるとそういう構成になる。寒さのせいか、アンモニア臭もしない。これは春まで行けるかと思っていた。が、夕方、藁の上に腹ばいになって確かめてみたら、目にしみるようなひどい匂いだった。下層の湿った部分を取り去って、刻み枯れすすきを補充した。鶏小屋はうまいこと発酵するんだけど。山羊さん達、ごめん。

作業日誌なのにいきなり夕方の作業の話になっってしまった。実際、毎日、いつの間にか午後4時になっていて、ヤギ小屋を整えながら、ああ、今日も疲れたなあと、とっくに山陰に入った我が家から向こうに見える四阿屋山に夕日があたっているのを眺める。何の変化もない(なくちゃ困るが)毎日。季節だけが移り変わってゆく。総体として崩壊しつつある世界の、永遠に変わらない片隅という幻想。俺にとっての現実はいつの頃からか、いつも書き割りの裏に隠されている。

冬の木曜日は天気が悪い

2016年11月26日(土)晴れ -1/11℃

冬の木曜日は天気が悪い。東京でヌクヌクしている(気温の話。それ以外はキリキリ働いている。つもり。)と、決まって麻績村は悪天候で、生き物係さんから泣きの入ったメールが届く。肝心な時に役に立たず、俺も泣きたい気分になる。

今週は大雪だった。金曜の朝は辺り一面真っ白で、もう今年もお終いだと観念しかけたが、今日の日差しであらかた融けた。週末はギリギリでライ麦播けるタイミングだと思ってたのに畑びちゃびちゃ。でも今日播いた。播いた後の踏圧なんてもちろんできない。ざっと土を寄せておしまい。藁を畑に使うと毎年こぼれ種であちこちにライ麦が生えるが、それを見ると覆土は要らないんじゃないかとも思う。

びちゃびちゃよりも、金曜朝の冷え込みがこたえた。氷点下7℃。暖かい地方の作物だという搾菜が芯まで凍みた。もうヤギのご飯だ。ヤギだって壁よりも隙間の方が多い豚舎でよく頑張った。ヤギ小屋問題が急浮上して来た。雪が積もれば草や落ち葉を食べるのが難しいから、ご飯にも困る。木曜日ははね出しのサツマイモや豆ガラ、人の口にもあまり入らない奇跡の無農薬リンゴなどを与えたらしい。可哀想なのか羨ましいのか判らない。大変な労力を費やして集めておいた葛の葉を今日、与えてみたが、全く食べない。乾草や稲藁もかなり用意したが、本当に食うのか?アカマツの葉や樹皮を食べるから、厳冬期もとにかく口に入れるものはあるが、、、

今年はやることなす事後手後手にまわって、そのたんびにヤギに手を取られて(かなり本当)、と言い訳している。どんな言い訳しても日はまた昇る。うちに日が当たるのは8時過ぎだけど。そして3時には日陰。

日はまた昇る。明日は雨みたいだけど。

2016年の稲刈り

2016年10月1日(土)曇り 寒い/寒い℃

晴れない。

村人も口をそろえてこんなことは初めてだと言う。気の早い人、用心深く台風13号の前に稲刈りをした田んぼでは、はぜ掛けされた稲束がその後の雨続きで脱穀できないままじっと耐えている。農家もじっと耐えている。内心はどうあれ、苛立ちを口にする人はいない。

9/25から始めた我が家の稲刈りは、28日に終わった。午前中にはぜ掛けが済んで家に戻った直後、土砂降りの雨。タイミングが良かったのか、悪かったのかは判らない。

 

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ヤギ導入のドタバタで草取りに手が回らず、稲を刈った後の田んぼは草原のよう。そこは責任持ってヤギに食べてもらおう。悪天候続きの憂鬱が生き物係さんの背中にあらわれている。

 

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今年は近年になく豊作の予感(希望)があってはぜ棒を多めに立ててみたが、結果はこの通り。今年もすっきりした稲刈り後の風景。自家採種のササニシキと、筑北の有機農家内山さん、浪野さんから頂いたコシヒカリ。奥の2本、ササニシキは面積では3分の2くらいあったが、稲束の量はコシヒカリと変わらない。

その後も晴れない。

玉葱の苗がしおれたように徒長する。裂果が少ないとの触れ込みのトマトもさすがに片端から割れてしまう。もう少し、ヤギの冬越しの乾草作りができると思っていたが、さてどうなるか。

ヤギとの対話の不可能性

2016年9月14日(水)曇り時々晴れ 17/27℃

朝から晴れる日が無い。干したいものが山ほどあるのだが、朝起きて曇り空を見るとがっくりする。六時頃ヤギ小屋の掃除に行っても暗くて足元がよく見えない。鶏の方はそうでもないから、北寄りに伸び続ける欅の影響だろう。根元に原木を伏せてあるので思い切った剪定も出来ない。時期を逃すと後で苦労する。

雄ヤギのギーが朝からけたたましい声で鳴き続ける。発情期だろうか。鳴き続けて、しまいには喉をヒューヒューいわせている。以前は、鳴き声がやまないと心配になっていちいち様子を見にいったが、この頃は放っておく。ヤギのオオカミ少年。あんまり無茶苦茶に鳴くから、メエーとは聞こえない。声だけ聞かせたら、これをヤギだと看破するものは多くはあるまい。

台所にナス、キュウリの山。株数は少なくても、毎日採れれば積もってくる。毎日、何かしらアブラナ科の間引き菜もあるので食材には事欠かない。料理のレシピと時間が足らない。

夕方、ヤギを散歩させて路傍の道草を食わすのが日課になっている。どこからともなくブヨと蚊が集まってきて顔の周りに煙のごとく付きまとう。ちょっと走ったくらいでは振り切れないし、走るとギーが興奮してランニングヘッドバッドを喰らわされるのでとても危ない。戯れに頭突きしてやった昔もあるが、この頃は重篤な負傷の危険性が高くて相手になれない。

ヤーとギーは従順なヤギではない。そもそもヤギがおとなしい家畜だなんて、どうして思っていたのだろう。こいつらは根っからのまつろわぬ民だ。押せば押し返し、引けば梃でも動こうとしない。まだ子どもだから辛うじて押しも引きも出来るが、時間の問題だろう。今のうちに交渉能力を高めておかないといけない。コンタクトインプロの経験は、ヤギと戯れるのには大変役に立つが、服従させるには無力である。服従させようというのが傲慢だとも思うが、多少言う事を聞いてもらわないと困る。

日が暮れかけて景色はモノトーンに近付く。おいもう小屋に入ろう、と言っても、ギーは全く耳を貸さず(ゼラチン質の厚い耳介は無防備にだらりと垂れたままピクリとも動かない)に黙々と草を食み続け、ヤーはこちらをじっと見たまま微動だにしない。おいヤー、と呼びかけながら、これがヤーである自信が薄れてゆく。森蔭の後ろから闇が降りる。二頭のヤギの輪郭がぼやける。すべての思い出は無効となり、どんな意思の疎通も今は不可能だという惧れが、頭の中に白くにじみ始める。

夏の終わりに(という気分で今日は過ごした)

2016年8月11日(木)晴れ 19/29.9℃

昨日からやや過ごしやすい気候。夏の盛りは過ぎてしまったかもしれない。例年になく大発生しているアブが、壁にぶち当たって頓死するのを何度も見かけた。部屋の中にはエンゼルヘアーが漂う。蜘蛛の子の冒険。東京では秋晴れの日によく見かけた現象。もちろん屋外で。玄関正面に鎮座まします神秘的な蜘蛛の巣にいくつも卵がぶら下がっていたが。

お盆過ぎれば野良でも家でも冬支度が始まる習わし、いつの間にかその盆の入りの時節を迎えていた。近所で爆竹の音が響いたのはそのせいか。お盆に爆竹は、埼玉南東部でも23区北西部でも記憶にないが、長崎の精霊流しなど、お盆=爆竹、という地域もあったよなあ。

夜ともなれば袖なしのシャツでは肌寒く、戸外では虫の音がカエルの合唱に取って代わった。夏は終わろうとしているのかも知れないが、夏の仕事は一向に片付かない。

ヤーギー

ヤギを飼い始めた。近所、と言っても5㎞くらいは離れているだろう、さるヤギ飼い(サルとヤギを飼っている、と言う意味じゃないよ)から、今年の春に生まれた子ヤギを雄雌1頭ずつ貰って来たのだ。子ヤギとは言え、生後4ヶ月でもう柴犬よりは大きい。放牧状態で育ったから言う事も聞かない。引き取りに行った時もなかなか捕まらず、大人4人がかりで追い詰めて相当怖い思いをさせてしまった。

子ヤギ生まれたよ、と電話をもらったのはまだ雪深い早春、生まれたばかりの子ヤギたちは天使のように愛らしかった。子ヤギってやつはなかなかかわいいな!と思いながら俺は、移住先を探していた昔の事を思い出していた。あれはやはり雪が融け切らない春先だった。長野駅前の不動産屋で物件を案内してもらっていた時、自らハンドルを握っていたちょっとコワモテの社長が言った。「今はヤギの出産シーズンなんですよ。わたしゃ子ヤギが大好きでね、ちっちゃいのがピョンピョン跳ねてるのなんか見ると、もうむしゃぶりつきたくなりますよ!」

物件所在地に向かう車は寂しい山道を走っていた。逃げようのない状況で、俺はその社長が口から血を流して子ヤギをムシャムシャ喰っている絵面を思い浮かべてちょっと怖かった。奇しくも、ヤギ飼いさんの家は、その怖い(個人の印象です)不動産屋の紹介物件だったらしい。

ヤギの加入でグンとNO場らしくなった我が家。来年はミルクの自給も夢じゃない。差し当たっては、伸び放題の農地の草をドンドン食べてもらいたい。

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田んぼの草取りをする生き物係さんと畦草を食べてお手伝いするヤー(♀)、土留めの桑を食害するギー(♂)。

間田植え期

つい一昨日までカラカラの日照り、今年も空梅雨かと思っていたら昨日は一日雨。「伸びられる日」を迎えた草が一気に伸びた。

1日から始めた田植えが10日に終わった。途中で休みの日があったわけでもなく、10日間掛かってしまった。原因は強粘土苗代の苗取りの手間、植えながら田んぼ一面に広がっていたマツバイの草取り、固い不耕起田んぼ。棒で穴をあけながら草取りしながら植え付けた。苗代を疎植にし過ぎて苗は田んぼ半分で終わり、隣村の有機農家2軒からもらった苗を植えた。

「うっちゃん農園」からもらったのはミノル式ポット苗。20~25cmの大苗で、これは画期的に植え易い。「コッレヴェルデ自然農園」からは通常の箱苗、ただし、無肥料育苗というこだわりもの。無肥料で我慢して育った証の背の低さ。深水管理の田んぼで溺れそうになりながら頑張って活着中(希望)。

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終了記念写真を撮ろうとしたら急に霧が上ってきた。何かの兆しか。苗代部分がまだ空いているので、明日、やはり頂き物の慣行栽培のアキタコマチを植えてみようか。

17日からは坂井の「たきちゃん自然農園」―筑北村の有機農家は名前が似てますね。有機農家は全国的に「○○自然農園」が多いけど―でまた田植え。今度はモチ3種。こちらも苗数が心配で、「ふたごや農園」から苗を頂いてある。もう2週間近く苗代の脇に活けてあるが、若干老化気味に見える。あと3日頑張ってもらいたい。これはクワガタです。

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2016年の田植え

2016年6月1日(水) 寒い/暑い℃

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今年も田植えが始まった。例年になく苗取りが順調で、うまくいけば5日くらいで終わるかもしれない。発芽率が悪くて薄播き状態になったせいで一本いっぽんの苗は大きい。

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苗不足を心配して有機農家の苗のみならず、慣行栽培の苗まで頂いてきたので、数はたっぷりある。いざ始まってみると、すべて一本植えなら自家苗だけでギリギリ間に合いそうだ。沢山あるから、状態の悪い所には比較的小さめの苗を3~4本ごそっと植える。

冬期湛水、不耕起の泣き所、田植え前の草取りに今年も泣いた。春先に溜池の工事の影響で水が来なかった時期があり、深水に弱い雑草がどっさり生えた。そこでアイガモン。

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田植えした後の初期除草に最適らしい。上の画像では田植え後、のように見えるが実は田植え前、稲のようにきれいに生えているのは多分、スズメノテッポウという雑草。うちみたいな、代掻かないで草もすっかり伸びちゃった強粘土の田んぼには使いづらい。なにより、田んぼの生き物の大虐殺だ。排気ガスを吸いながら、これなら手で取った方が楽だよ、と思ったが、腰の為には、少しは楽だったかもしれない。

いろいろと先は長い。