「NO作業日誌」カテゴリーアーカイブ

エントロピーは増大する

ナス、双葉展開。吸水して発根したのをセルトレイに移して1週間。ここからどれだけ間引けるか。もったいながって苗を作り過ぎて、世話をしきれずに多頭飼育崩壊のような事に、毎年なる。

昼間に配り物にいらした長老が俺の果樹の剪定を見て、「ええ、どれも苛め方が弱いわ。こんなもんじゃ虻蜂取らずになっちまう」と曰われたが、全く図星である。間引いたり切り戻したりが、思い切ってできない。

NO業生活も10余年になるが、間引き過ぎたと思っても結果的に間引き過ぎだったことは一度もない。苗は作り過ぎるし枝は伸び過ぎるし木を植えれば数年で近過ぎたことに気づく。何事につけゴチャゴチャにしちまうクチである。エントロピーの最大化を辛うじて逃れ続ける毎日。

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今日の朝食、黒パンとじゃがいも。小麦パンも全粒粉で黒っぽい。玄パンと言おうか。ドイツでは黒パンと白パンの中間に灰色パン、Grau brot というのがあるらしい。

NO事始め ナス科の播種

播種と言っても浸水して芽出しから。予定より3日遅れ。保温の用意もなく、今夜はとりあえずストーブ脇に置いとく。

ナスは真黒とローザビアンカ、扁平パプリカ、謎のピーマン、激辛唐辛子。今年はシシトウはお休み。

今日の朝食、黒パンと小麦全粒粉パンと白パンとじゃがいも。白パンはツルヤのパン用強力粉。よく膨らむ。黒パンが一番小さいけど使ってる粉の量は一番多い。ずっしり重くて酸っぱい。

今夜のブハンカ

ライ麦:小麦、3:2。麦芽粉末を入れないと焼色が薄い。

くにゅに乗せてみた。

こちらは黒猫に黒パン。だあだは暗いとこで撮ると何だか判らない。

春まで堪え忍ぶ日々の暮らしについて

2月10日(土) -8/10℃ 晴れ

昨日の日暮れ時、暖かい風が吹いたような気がした。雪を被った杉木立の隙間をこっそり春がすり抜けたんじゃないかな。

で、今朝は氷点下8℃。仕方ない、いつも通りの季節なら今頃からが厳冬だもの。いつも通りということはもうないのだけれど。
久しぶりに明るい朝。木々に隠れて見えないけど山裾からは日が昇っている。ヤギたちは小屋の扉が開けば、どんなに寒くても放牧場に走ってゆく。

これは6日の大雪の朝。去年と、今年もこの日までほとんど積もらなかった。久し振りの終日雪掻きで今頃になって全身倦怠感。

 

今日の朝食は(も)黒パンとじゃがいも、赤大豆ペースト。

食後はグズグズとストーブの前に張り付いて、しょうがなく仕事に掛かる頃には10時を回っている。

午后、ふたりで細川の放牧地のクヌギを一本伐る。傷のないところはキノコの原木、太いところは薪、小枝はヤギのご飯と、全く余すとこがない。ありがたいもんだ。

木を伐るのにはものすごく時間をかける。野菜の収穫もそうだけど、効率を追いかければ仕事の楽しみは置いてけぼりになる。喜びを勘定するようになったらおしまいだ。山菜きのこ獲りの時は別人格に憑依されるのだけれど。

日暮れ前には氷点下。ストーブが活躍する時節はパン焼きが夜の仕事。

ライ麦、小麦半々。ライスタータ50g、粉425g、水275cc、塩6g。250℃で35分。スタータとライ麦粉で24時間発酵、塩と小麦粉足して8時間発酵。

塩だけは自給できない。南信には塩鉱があったらしいがリニアの工事でだめになったかもしれない。

築78年の民家、土壁がそろそろヤバい。正月の地震でひび割れが増えた。屋根と壁さえあれば、とよく言うが(言うよね?)、我が家は屋根と壁と床がジワジワと崩壊しつつある。今年はなんとかしよう。

恵みの雨

朝晩やや冷えるようになり、長袖長ズボンで過ごすことが増えた。

9月を半袖で乗り切った今年はやはり例年になく暑かった。雨も台風の影響も殆ど無いし今のところ。

午前中はギリシャ歌謡を聴きながら栗の鬼皮むき。今年は虫がいっぱい。マルガリータゾルバラからのYouTubeセレクトギリシャ歌謡ミックスリストに何故かエストニア歌曲が混ざる。

昨日稲の脱穀が無事済んだ。途中脱穀機がエンストしたけど(3年ばかり、エンスト無しで作業が終わった例がない)。

あきたこまち150kg、朝紫15kg。希望推定値。面積当たりの収量は普通の人々の半分くらい。田んぼにかける作業時間はこちらが10倍ではすまないだろうに。いやいや、金や数字に囚われてはいけない。自給自足。稲藁も充分確保した。

冬の間のヤギ小屋の敷草になり、廐堆肥になる。米穫れた! というより、藁穫れた! という安堵感が大きい。脱穀後、雨に濡れずに全量回収できたのがことのほかうれしい。無農薬藁で納豆作ろうかな♪

脱穀が済むまではポツポツ降る小雨にもソワソワ、藁の片付けまで済んでしまえば今度はキノコのために一雨ほしい。

夜、いい塩梅に雨が降り出して朝まで降った。祈りたいような気持ちになった。

なにしろこの頃、祈るしかないことが多い。

 

突然、秋

朝、玄関の引き戸を開けるとひんやりと涼しい。涼しいというのは低温の肯定表現だから、実感でいうと寒い。寒いのだけど、数日前まで暑かったので寒いわけないと言いたい気分が涼しい、を選ばせる。

そろそろ本気で薪割りしないといけない。ほんとは春先から隙を見てコツコツパッカンパッカンやっておかないといけない。こりゃ間に合わねーな。

相変わらず本降りの雨はない。キノコも全く出ない。稲刈りの数日後、夜間にいつもより長めの雨が降ったので裏山に入ってみた。しっとり濡れた落ち葉をめくったらすぐ下はサラサラに乾いていた。

ニンジン畑に連日水を運ぶという稀有な経験もした。旱魃に耐えてこの頃やっと展開してきた貴重な葉っぱを食べるアゲハの子どもたち。手の上でウンコ。

ヨトウムシなどは即殺するのに内なるレイシズムやらルッキズムが駆動されてこいつらは奥山放虫。はらぺこあおむしは何でも食べるが、通常、アオムシは孵化したとき最初に食べた草以外は食べないそうだ。山の中でニンジン見つけられるといいね! (ねーよ)

2023年の稲刈り

昨日、9月18日、稲刈りが無事済んだ。いつもより1週間程早い。ウサギの食害対策で落水前日まで深水にしていたのと、セレブなお宅の絨毯のように生い茂った田の草のおかげでなかなか水が抜けなくて焦った。水路にも田んぼにもアカハライモリなどがうようよいて強引な作業を許さない。

水が抜けかけた水路に、黄色い胴体に脇毛を生やしたような見慣れないトンボが孤立出産(産卵)する。ツガイの産卵ではない。一回り小さいシオカラトンボが上からのしかかるように邪魔をするが、せいぜいトンボにたかられた(実話)程度にしか感じないらしく、相手にもせず悠々と産み終えて飛び去った。こうして外来種が増えてゆくのだろう。落水から10日あまりで何とか潜らずに歩ける程度になった。環境大改変。生き物のみなにはさだめて迷惑な事であったろうと、昭和天皇並みに反省申し上げた。してないってことか。いや、俺はしてるけど。

バインダーで刈り取っているときは、手応え上々だった。やっぱり暑いとこの植物なんだよな、猛暑上等! とか9月も半ば過ぎだってのに30℃超えの異常な暑さに汗ダラダラで豊作の予感に頭クラクラ、ハゼに掛けてみると例年とほぼ同じ収量が予想されるのでありました。

庭の片隅に、雑草に埋もれて彼岸花が咲いていた。ツルゲーネフの田舎の貴婦人みたいに。

今年は旱魃

雨が、何としても降らない。7月の梅雨明けから、土砂降りは3回くらい、あとはシャツが濡れてもすぐ乾く程度が数回。毎日カミナリはゴロゴロ聞こえるし、山のあなたの空近く入道雲はニョキニョキのびるが周縁の山を越えない。まるで結界が張られているように迂回して消えてしまう。

暑くてオレも死ぬ。虫除けに焚き火のオキ混じりの灰の上で寝る。

8月頭に葉物野菜の種を播いて育苗していたが、暑さと畑の乾き過ぎで定植の好機を逃し続け。この数日、仕方なくジョロで潅水しながら植え付ける。毎日カンカン照りで暑くてしおれる。直播したビートはほぼ消えた。

右白菜野崎早生、左キャベツフィルダークラウト。キャベツは拳より大きくなった例がない。ピンボケだが、心象風景をよく映し出している。

簡単な柵で囲ってあるこの畑、今年初めてトマトに囓られ害が出ている。柵から伸び出したかぼちゃの葉っぱも食われた。獣が増えた、という声をよく聞くが、田畑に山に立ち働いて獣を遠ざけていたNO民が減ったのである。山際の農地はまっ先に耕作不適とされて。獣たちは物理法則に従うかのように振る舞っているにすぎない。押さば引け、引かば押せ。

 

 

 

 

13年目の春

今はもう夏だけど。春先に恒例のギックリ腰で田植えが遅れ、チェンソーを使えなかったせいでまだ雪が降っていた頃畑に倒した杉も片付かず、今年もやっぱり思ったようには行かない。

5月31日、3葉で植える予定が5葉の大苗。しかも密播きで分蘖僅少。ふたりとも腰が痛くて、来年は田植え機に頼りたいおじいさんとおばあさんが住んでおりましたとさ。

6月16日。活着は順調だった。その後の写真がないね。

玉葱は今年も小ぶりで試しに田んぼ畑で作ったニンニクがよくできて桑も小梅も鈴生りだったけど採り頃を逃していつもよりジャムが少ない。豊後は遅霜で全滅、全滅というのは滅多にあることではない。去年初めて実が着いた柿が全滅したけど。今年数粒実が着いていたサクランボもヤギが食べて全滅。わりとよく全滅しているようだ。小麦ライ麦、ここまで順調だけど、刈時が難しそう。パンは自給したいニャー。

 

三寒四温の三寒が厳し過ぎる今日此頃

昨日今日とわずかながらも氷点下の朝。明日も氷点下予報。この季節は果樹農家が遅霜に気を揉む。この辺りは果樹農家だらけなので、みんな気をもんでいることだろう。うちにも花の終わった梅、花盛りの桃、もうすぐ開花の林檎があって、やっぱり気を揉んでいる。林檎は9本、梨が3本あるけど、蕾があるのは1本だけ。

3日前、苗代に苗箱を移した。まだ発芽してなかったけど、昼間の暑さで蒸れたりカビたりするのも嫌だった。朝の寒さは影響があったかも知れない。画像を上げとこうとしたら、サイズオーバーではねられた。スマホでは編集よくわからない。

あきたこまち11枚、朝紫2枚。

野菜苗とかヤギとか猫とか子ども手当が欲しい。マジで。ミサイル買う金あったらまわせよ。と思ってない人は何人くらいいるのだろう。

オニグルミを食べた

オートミールをまぶした黒パンとクルミ入りパン。黒パンはライ麦と南部半々。南部がわりと黒っぽいから仕上がりも黒い。クルミは山村暮らし12年目にして初めて食べたオニグルミ。今までどうやっても菓子胡桃みたいに上手く割れなかったので、何となく敬遠していたが、今冬のある日、ふと剪定鋏を使ってみたらあっさり真っ二つに割れた。なーんだ、鋏でいいんだ! じゃあ何時でもできるや、とついこの間まで放っておいたら乾燥したのか、鋏では歯が立たなくなっていた。仕方がないのでハンマーで砕いてバラバラになった実を根気に集めて食べてみた。美味い。粉々だけど。パンとかお菓子に使うならこれでいいじゃん。菓子胡桃の割りやすく食べやすいイメージに囚われて、長いこと地場の逸品を食べそこねていた。

くにゅも認める美味しさ。見えないけどくるみ入ってる。くにゅは市販のパンは決してなめない。