人はパンのみにて生きるにあらず、でも黒パンがあれば幸せに生きていけるかも

2021年3月29日 晴れ

早朝の冷え込みも緩む。昼間は半袖で過ごせる。むしろ暑い。

晴れて暑い日が続いたり、曇りや雨で冬のように寒い日が訪れたりするので季節外れのナメコが出た。うれしい反面、こわい。きれいな球体を形作ってクルクル回っていた硬貨が、回転スピードを失って揺れ始めると、決して元には戻らない。断末魔、ドラムのロールのような音を立ててエントロピー最大の状態を迎える。おしまいの日は想像以上に早い気がする。

それでも我々は生きる。生きるためには食べなければいけない。

この頃、薪ストーブでパンを焼く新しいやり方を考えた。これまでは、ストーブの炉内を釜のように使っていた。今はこうだ。


天面に型を置いて、


大きいステンレスボールをかぶせる。
200~250℃、30~45分で焼き上がる。このやり方は、炉内焼きに比べて温度調整が格段にやりやすい。ストーブの周りに燃えやすいものを置いてはいけません。


今朝焼いた黒パンと、生き物係さんがアサヒ軽金属のお鍋で焼いたチョコレートケーキ。20年くらい前のデジタルカメラのメモリースティックを使った画像なので(なので、かどうかは本当は分からないけど)、クラシックな雰囲気。『モルドヴァ地方の料理』とか、『チェコ家庭料理365日』みたい。

自分で作るから、というせいでもあるけど、こうやって焼いた黒パンはとってもおいしい。諸般の事情で自家製粉を使えない今日この頃、来年は小麦もライ麦もスペルト麦も燕麦も自給する!と固く誓っている。ハト麦もそろそろ播き頃。

何はともあれ、抱えられるものだけは抱えて山暮らしに間に合ったのだ。何という幸せ。山野で暮らした大昔の記憶が体の中で疼く。ぴったり嵌り込める原型を抽象しようと。自動書記的に。私自身はいつも深くて大きい穴を見下ろしている。