田植えが終わってもヤギは雨が嫌いだ

今年は雨が降らねえな、と思っていた。移植したナスピーマン苗は植え傷むし、芽が出たレタスごぼうは枯れて消える。ヤギが食べた雑草も二番草が容易に生えてこない。ただ、からりと晴れた天気は気持ちいいし、虫も少ないし、ノラクラ暮らすだけなら(わりとのらくらしてるけど)ずっとこのままでもよかった。

と思っていたら梅雨入り。農休みを喜んだのも束の間、昨日からはずっと雨がちで気がめいる。一方作物、果樹は息を吹き返し、辺り一面雑草が伸び放題で景色が一変。一方ブヨ大発生。こいつらが目や耳に入るのはどうしても慣れることが出来ない。慣れたら何か病気になりそうだけど。修行が足りないのか。

修行のように黙々と豆畑を耕すKyoko。「耕さない農業が地球温暖化を抑制する」と題するレポートで、福島大学の金子信博教授は、耕すと土中の有機質の分解が進んでCO2濃度が上がる、と述べている。まさかこうやって手仕事でコツコツやってる分には問題ないよな(俺はこのごろトラクタでやっちまうけど)、と思いきや、「一般に、土壌有機物の減少は、農家が実感できるほど速くはない。そのため、世界各地で世代を超えて土壌劣化が進行することによって、最終的には多くの文明が終焉を迎えたと考えられている」のだそうだ。現在、土壌劣化進行中。

どうやっても、人類が頑張り続ける限り、滅亡に向かってゆくのは避けられないのだろう。このままではかなり多くのその他の種族を道連れにして。明るい未来は、無い。それでも、若いうちはそういう夢を信じて生きるのがよろしい。若者が楽観的な虚構の中を生きられるよう、年寄りの夢はトレードオフされ、冷たい現実を引き受けるのが正しい。老いも若きも能天気に楽しい社会があるならば、そこでは人間以外の世界を蹂躙しているに違いない。カミサマ、ユタカナメグミヲカンシャシマス!とか言って。

代掻きは昨年から小型歩行式トラクタで。機械代掻きで田植えが劇的に早く、楽になった。田植えの時に田植えしかしないから。不耕起田んぼだと、田植えするのに棒で穴あけてひどいでこぼこは直して雑草取って、と何倍も手間が掛かるうえ、田押し車を転がしても草が浮かないし、車の歯がひしゃげる。いや、いつか還って行こう、不耕起田んぼ。

今年の田植えは6月4日から9日まで、梅雨入りした7日を除いて、のべ5日間、20時間くらいか。

30㎝角植え。縦横田押し車を走らすにはこの間隔が必要。手取りは最小限に。

みのる式のあきたこまちは苗がイマイチ育たなかったので、3分の1くらいモチにした。モチ苗は苗箱に4枚だったから、育苗に失敗しなければ、苗箱は田んぼ全体で12枚あれば足りる(机上の)計算。

今年、苗代の代掻きをしなかったせいか、苗箱の下にモグラかネズミがトンネル掘って進んだような跡があった。苗箱は遅霜に耐え、カラスやキジにつつかれ、狸に踏み荒らされた。鳥避けの反射テープをぐるりに張ったら被害は止んだ。

 

梅雨入りしてから、やーと子ヤギたちがすさまじくブヨにたかられる。あまり良くないと思いながらディートの虫除けを擦り込んでやる。今夜は雨もひどいので、久しぶりに分娩房だった納屋に入れた。子ヤギが二つの白い毛玉に過ぎなかった頃は、やーがのびのびと独占していた空間も、今や3頭のヤギですこし手狭に感じられる。

母屋にいても時折聞こえてくる親子の声。俺の耳には「ケタケタケタ」と聞こえる子ヤギの声。やーの甘えたような哀しい鳴き声。

 

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