ヤギに追われて

朝は氷点下2℃。指先が凍る。

6 時半過ぎ、ヤギたちを小屋から出す。本当はもう少し早く出してやれば、朝一の大量のおしっこを外でしてもらって、掃除が少し楽になるのだが、寒いのと暗くてよく見えないのとで、ついつい遅れてしまう。この頃は草も凍っているし。

先々週の水曜日、1 日に生き物係さんが手刈りで頑張って稲刈りを終わらせてくれた。それでも11月に稲刈り、、、。10日に脱穀。これはご厚意で借りっぱなしになっているハーベスタが活躍した。推定100kg。反収にすると当地平均の半分にも満たない。労働時間は10倍ではきかないだろう。何とかしなければいけない、という気持ちと、まあこんなもんか、という気持ちが半々。日本晴だからな、と言い訳をしてみるが、品種選定を誤ったことは間違いない。だが、標高900mの日本晴はそうそうお目に掛かれないだろう。ちょっとうれしい。

うれしいのは今になって感じることで、稲刈りも脱穀も、いや、今年はあらゆる仕事が時間に追われて焦りと、少なからぬ諦めのなかで流れ過ぎて行った。時間に、というよりはヤギに追われているのだ。ヤギよ!可愛さあまって憎さ百倍、という言葉を、お前たちほど思い起こさせてくれる者はいない。

だが、憎しみはとろけるように消えてなくなる。お前たちの天才的な愛される力でもって。