稲刈りとスガレ

晴れ 14/29℃

何処にだかは判らないが祈りが通じたのか、嘘のような暖かさ。暑いと言ってもいい。空気は乾いて、汗はそれほど出ない。

今日はモチの稲刈り。

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モチはよく育ったと思っていたが、刈ってみると慎ましいくらいだった。雑草はまあまあ抑えられた。スズメノテッポウが枯れかけて硬くなり、手が切れそう。未分解の有機物がまだまだ多く、保水力は素晴らしい。歩けば足跡に水が溜まるが、溝を掘ってもなかなか流れて来ない。よけに溜まった泥をすくえば、ヤゴ、タガメ、ゲンゴロウ、アカハライモリが顔を出す。ごめんなあ!

日本晴もだいぶ熟して来た。あと10日、晴れて暖かい日が続くといいのだが。予報では週末から天気が崩れて寒いらしい。とはいえ、凶作という事はなさそうだ(希望)。この頃は希望という言葉が安くなったもんだ。右翼の希望。

 

夕方前のあれこれとせわしない時間、カトーさんがふらりと現れる。うちの庭先にできたスガレの巣を掘りに来たのだ。スガレというのは地蜂ともいわれるクロスズメバチの事で、近隣の林道入り口には「山菜、茸、スガレの採取を禁ず」というような看板が立っている(立っていたような気がする。そのうち確かめておこう)。美味いらしい。

さてカトーさん、スズメバチの巣を掘りに来たわりには意外なほど軽装、というか普段着で、道具は鎌一丁、煙幕花火3本のみ。手袋ぐれえはしておくか(おっか、と聞こえる)、と笑いながら蜂の巣の方へ悠然なのかヨロヨロなのか判然としない歩き方で近づいていく姿には、「土地の古老」といった風格がある。カトーは性ではなく名で、ローマ帝国の政治家のカトーに由来するらしい。これは大してでかくねえか知れねえな、とつぶやき、煙幕花火を無造作に巣穴に突っ込む。数分後、これまた無造作に鎌で穴の周りをザクザク掘って行く。外から帰って来た働き蜂?たちがブンブン飛び回っているのも一向、気にしない。

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掘り出した巣は直径20㎝程、6~7層。幼虫が詰まっている。カトーさん、片手に軽く載せて悠然と、またはヨロヨロと引き上げてゆく。抑えた笑顔から満足感がこぼれていた。

スガレはたぶん肉食系だろうから、もしかしたら野菜につく害虫を食べてくれてたかも知れない、と思うと少し申し訳ない気がした。今度見つけてもそっとしておこう。いや、自分で取りたくなるかも、、、。

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生で一匹食べてみたが、甘くて少し脂っぽかった。味付けによっては美味しいかもしれない。