今日

最低気温氷点下6℃が3日続いたおかげで今朝の氷点下3℃が暖かく感じられた。『イワン・デニーソヴィチの一日』に40度とか28度とか書かれているが、氷点下の話だ。やはり今日は暖かい。

ヤギ小屋の掃除の際、敷草の確保がだんだん難しくなってきたので、ここ一週間、床面にたまった敷料を糞尿で発酵させながら表面だけ足していく鶏小屋方式を試してみた。落ち葉をごっそり敷いて、上に藁や枯草をふんわりと積む。落ち葉は半分くらい松やカラマツ。集めやすい所から持ってくるとそういう構成になる。寒さのせいか、アンモニア臭もしない。これは春まで行けるかと思っていた。が、夕方、藁の上に腹ばいになって確かめてみたら、目にしみるようなひどい匂いだった。下層の湿った部分を取り去って、刻み枯れすすきを補充した。鶏小屋はうまいこと発酵するんだけど。山羊さん達、ごめん。

作業日誌なのにいきなり夕方の作業の話になっってしまった。実際、毎日、いつの間にか午後4時になっていて、ヤギ小屋を整えながら、ああ、今日も疲れたなあと、とっくに山陰に入った我が家から向こうに見える四阿屋山に夕日があたっているのを眺める。何の変化もない(なくちゃ困るが)毎日。季節だけが移り変わってゆく。総体として崩壊しつつある世界の、永遠に変わらない片隅という幻想。俺にとっての現実はいつの頃からか、いつも書き割りの裏に隠されている。