ヤーギー

ヤギを飼い始めた。近所、と言っても5㎞くらいは離れているだろう、さるヤギ飼い(サルとヤギを飼っている、と言う意味じゃないよ)から、今年の春に生まれた子ヤギを雄雌1頭ずつ貰って来たのだ。子ヤギとは言え、生後4ヶ月でもう柴犬よりは大きい。放牧状態で育ったから言う事も聞かない。引き取りに行った時もなかなか捕まらず、大人4人がかりで追い詰めて相当怖い思いをさせてしまった。

子ヤギ生まれたよ、と電話をもらったのはまだ雪深い早春、生まれたばかりの子ヤギたちは天使のように愛らしかった。子ヤギってやつはなかなかかわいいな!と思いながら俺は、移住先を探していた昔の事を思い出していた。あれはやはり雪が融け切らない春先だった。長野駅前の不動産屋で物件を案内してもらっていた時、自らハンドルを握っていたちょっとコワモテの社長が言った。「今はヤギの出産シーズンなんですよ。わたしゃ子ヤギが大好きでね、ちっちゃいのがピョンピョン跳ねてるのなんか見ると、もうむしゃぶりつきたくなりますよ!」

物件所在地に向かう車は寂しい山道を走っていた。逃げようのない状況で、俺はその社長が口から血を流して子ヤギをムシャムシャ喰っている絵面を思い浮かべてちょっと怖かった。奇しくも、ヤギ飼いさんの家は、その怖い(個人の印象です)不動産屋の紹介物件だったらしい。

ヤギの加入でグンとNO場らしくなった我が家。来年はミルクの自給も夢じゃない。差し当たっては、伸び放題の農地の草をドンドン食べてもらいたい。

tayagi1

田んぼの草取りをする生き物係さんと畦草を食べてお手伝いするヤー(♀)、土留めの桑を食害するギー(♂)。