蜂の巣

3月29日(日) 晴れのち雨  3/20℃

3℃ならとても暖かいはずだ、とつい思ってしまう。実際にはそんなに暖かくない。20℃はさすがに暖かいはずだが、日差しがないとうすら寒い。

ミツバチのみなさんもそろそろ飛び始めてもいいと思うんだが、巣箱は静まり返っている。ちょっと中をのぞいてみる。

mitubachinosu (1)

予想以上に大きくなっていた。が、肝心のミツバチがいない。下端が少し壊れているようにも見える。底板に100gくらい、蜜が垂れ落ち、ミツバチ数匹とキイロスズメバチ1匹の死骸があった。

防寒対策が足りなかったか?越冬失敗にしては死体の数が少ない。スズメバチの襲撃を嫌って移住してしまったのか?近場にキイロスズメバチの巣が出来始めた時、すぐに手を打てばよかったのか。彼(女)らも青虫毛虫を狩るだろうから放って置いたほうがいいと思ったのだが、甘かったか。キイロスズメバチなら通常は撃退できるとの情報が多かったので、たまに巣箱に近づく奴を網でとるくらいのことしかしなかった。

うんと上のほうで身を寄せ合って暖かくなるのを待っている、という可能性はないだろうか。もう少し様子を見てみよう。ダメならダメで残った蜜は全量いただきだ。涙がこぼれるでもなくこんな風に考えるのだから賤しいものだ。

 

こちらはスズメバチの巣。氷点下だと生理的に活動不可能という説をどこかで読んだ記憶があって、数日前の氷点下の朝、屋根の梁からむしりとった。梁に残った巣の最上部に、女王蜂らしいのが逆さにしがみついていた。全く動かなかったが、死んだ(俺が殺したのだが)瞬間にそれまで生きていたのがわかった。

suzumebachinosu (2)

のこぎりで縦横に切ってみた。

suzumebachinosu (1)

とてもよくできた断熱構造に見えるが、やはり寒さには弱いのか、幼虫成虫ともに数匹づつの死骸が残るのみだった。

 

春、東京・沖縄(ここはまだかも)

3月23日(月) 晴れ一時チラ雪 -1/10℃

また氷点下に逆戻り。北の峰から雲が屋根をかすめるように飛んで、小雪が舞う寒い一日。晴れてもなんだか初冬のような緊張感。夜九時現在マイナス2.5℃だ。週末からは暖かくなりそうだが、なるべく期待しないでおこう。

昨日、「安倍政権NO!大行動」と題するデモがあったらしい。主催者発表で14,000人は少し寂しい気もするが、こっちはそんなことも知らずにのらでアクセクしていたんだから、参加されたみなさんの健闘を称えよう。俺も奴らの資金源を細らせるように、対貨幣経済サボタージュ運動に日々これ励んでいるわけだ。励まないことに励む。

もうひとつのいい知らせ、辺野古埋め立て反対で当選した後になんか押しが弱かった翁長知事が、沖縄防衛局に作業中止を指示(琉球新報)。政府の反応はいつものように

「・・・これに従わず、作業を継続する構えを見せている。菅義偉官房長官は23日午前の記者会見で「粛々と作業を進めていく」と強調した。」

真面目そうな人が真面目に言うから本当に怖い。暴力を含む実行力を持った権力側が使うべき表現じゃない。もしかすると、菅氏は隠れ反対派で、国民を立ち上がらせようとしてわざと挑発的な言い方をしているのかもしれない、と思わざるを得ないくらいの最大限の傲慢な発言だ。俺の傲慢さなんか、かわいい子猫ちゃんだ。ニャ~オ!

 

 

のらの季節

春だ。朝から蕗の薹集めに精を出す。この冬は湿った雪が多かった。長いこと厚い雪に覆われていた植物はいつもの春よりなんだか平たい。フキノトウもぺちゃんこのが多い。ぺちゃんこでも風味は変わらない。こいつを食べるとからだが春に向かってグルグル動き出す。

野良仕事、ではないな。野良遊びだ。おんなじようなもんだけど。

冬水田んぼにはいつのまにかカエルの卵がいっぱい。誰か、水の中を泳いでいくやつがいる。魚っぽい。

夜、お風呂で種籾の温湯消毒。60℃だからお風呂の感覚では熱湯に近い。

籾を水の盥に放って浮いたやつを掬い取る。ほんとうは塩水でやるらしいが、塩がもったいないし排水に困るから真水を使った。ちょっと水を動かすと際限なく浮いてきてしまうので、適当にやる。

ササニシキ1kg、ミヤギコガネ糯500gを、500gづつ網袋に入れて60℃の浴槽に浸けること10分で作業終了。と、タイマーに使っていた俺の携帯を見た生き物係さんが、この世の終わりのような悲鳴を上げた。「なんで10分なの!5分でしょう!?」焦って参考書をめくると、確かに5分とある。記憶違いだったか、60℃10分という頭があったのだ。文明の利器、Webサイトに頼ることにする。あった。温湯消毒を説明した多くのページが、60℃10分としている。ただし、糯は少し短めがいいらしい。それで、ミヤギコガネだけ再度500g、今度は5分浸ける。手間は掛かったが、温湯消毒の時間と発芽率の相関についてのデータが採れる訳だ。これは言い訳だ。10分の5分のという数字なんて十進法に囚われた発想だよ、などとうそぶいてみたが、すっかり不機嫌になった生き物係さんは、ソルマックの焼酎割を飲んでいた。

春とはいえ、夜はまだまだ冷える。そろそろお風呂のお湯も落ち着いた頃だから、籾湯に入って寝るとしよう。